2022年の法改正から徐々に男性育休を推進する動きが広がってきています。
そんな中、「取るだけ育休」というワードを耳にするようになりました。
読んで字の如く、育休を取ったけども目的を忘れ、長期休暇だと勘違いをしてだらけたり遊びに出かけたりと好き勝手やっているパパのことを指します。
そんなパパたちが取るだけ育休をしない、させないために我が家で取り組んだこと、もっとこうやれば良かったかなということをお話ししていきます。
私のブログを読んでくださるようなパパはそもそも取るだけ育休にならないと思います。
もし読んでいるのがママでしたら、ママの方からアプローチして取るだけ育休パパを矯正していくこともありだと思います。
取るだけ育休とは
冒頭でもお話ししましたが、「育休を取ったのにも関わらず家事も育児は少ししかやらない、もしくは全くやらないで遊びに出かけたり家でダラダラしているパパたち」を指します。
悲しいことに私や妻の友達の中にも以下のような取るだけ育休をしているパパはいました。
取るだけパパ①
- 出産直前に大型バイクの免許を取って、新車のバイクを買い、育休中にツーリングへ出掛ける。
- おむつは変えたことがなく、赤ちゃんの機嫌がいい時に抱っこして遊ぶだけ。
- 家事はしないのに物ばかり増やす。
- 趣味で飼っている爬虫類の世話もなぜか妻に任せる。
- 外では抱っこはするので、イクメン面をする。
取るだけパパ②(3つ子)
- 実家の手伝いと言って丸1日、1人で実家に帰る。
- 友達の田んぼの手伝いと言って、丸1日1人で外へ出掛ける。
- パパに3つ子を見てもらって、ママが友達とリフレッシュに出掛ける時は2時間限定。
なんとも信じられない話ですが、そんな取るだけ育休パパは少なくないようです。
【「変えよう、ママリと」 × 日本財団 調べ】によると
育休中のパパの約3人に1人が一日の家事・育児「2時間以下」
また厚生労働省の【イクメンプロジェクト】では、次のようなデータが載っています。
ママはパパの4倍も家事・育児をしている!
仕事をしていたら多少なりとも家事育児の時間が減ってしまうのは理解できますが、育休を取っているのに2時間以下しか家事・育児をやらないのは、育休を取っている意味が全くありません。
そんな取るだけ育休パパにならないため、させないために我が家でも実践していたアイデアをご紹介します。
1.パパの意識改革
パパが取るだけ育休になってしまう原因の99%はパパが育児と家事を舐めて育休の意味を履き違えているからだと思っています。
そんな勘違いパパの被害者であるママたちが、パパの意識改革のために動かないといけないのは何とも迷惑な話ですが、妊娠中から少しずつ刷り込んでいけば、全く違った育休を過ごせるのではないでしょうか。
私も振り返ってみると、多少なりとも勘違いしていた部分もありました。
少し意識が変わるだけで、パパの姿勢も変わってくるはずです。
まずは取るだけ育休パパにありがちな勘違い5選についてお話ししていきます。
少しでも当てはまることがあれば勘違いだと気づいて改心しましょう。
勘違いその①:退院したからママは全快している
出産を終えたママたちは、産後1週間もしないうちに退院して自宅へ帰ります。
そこで待ち受けているのが、取るだけ育休のパパです。
「出産から1週間近く経ったし、病院も退院したからママは回復してこれまで通り家事をやってくれる。」
なんて勘違いをして、ダラダラしているのではないでしょうか。
壮絶な出産を乗り越えたママたちの身体は「交通事故に遭ったのと同じくらい、おおよそ全治2,3ヶ月のダメージ」を受けていると言われています。
1週間やそこらで回復するわけありません。
その上、新生児のお世話で心も身体もヘトヘトな上に、夜泣きや産後の痛みで寝不足な極限状態です。
家事なんてする余裕もありませんし、取るだけ育休パパに文句を言う体力も無いでしょう。
パパは第一にママの産後ケアを優先しなければいけません。
勘違いその②:育児と家事を軽視
普段から家事をやってこなかったであろう取るだけ育休パパは、ママが毎日どんな家事をやってくれていたか全く知りもしないでしょう。
ましてや育児と両立することがどれだけ大変なのか、カケラも理解していません。
そんな取るだけパパに「ご飯はまだか」とか「掃除や片付けができていない」なんて言われるとカチンと来ますよね。
子どもの面倒を見ていたら家事に手が回らなくなるのは当たり前です。
文句を言う暇があるならパパに自分で家事をしてもらいましょう。
勘違いその③:育休を取ってあげている
「一家の大黒柱として働いている」という認識が強いパパが育休を取ると、「ママのために育休を取ってあげた」と勘違いをするかもしれません。
この時代、パパが育休を取るのは当たり前になりつつあります。
いくら収入がママより多くても、育休を「取ってあげている」という認識はおこがましいです。
ママに言わせれば、「つわりやお腹の重たい妊娠期間を耐えて、辛い陣痛を乗り越え、2人の赤ちゃんを産んであげた」となります。
パパに反論の余地はありません。
母子共に無事に出産を乗り越えてくれた感謝の意を示さなければなりません。
勘違いその④:育児をやったことないから上手くできない
おむつ交換はおしっこの時しかやらない。
沐浴は怖いからやらない。
ミルクの分量は知らない。
抱っこしてて泣き止まなかったらママに渡す。
どれもこれもちょこっとやれば覚えるし慣れることです。
パパがまともに育児に関わって来なかった結果、ママばかり経験値が上がっていき、「自分じゃできないからママに任せればいいや」なんてことになります。
誰だって初めてのことは不安です。
ましてや新生児のお世話なんて、首は座っていないし、手足は小さくて細いしで何をやるにも恐る恐るとなるのは仕方ありません。
育児ができないのであれば、回数をこなしてできるようになればいいのです。
勘違いその⑤:長期休暇
実話をもとに描かれている、取るだけ育休の漫画がコラム等にありますが、その中で育休中に夫だけで旅行に行ったなんて話がありました。
「せっかくの長期休みだし、ママもパパが仕事復帰した後のワンオペ練習になるでしょ」と、訳の分からない理屈で旅行へ行ってしまいました。
育休は「育児をするために」仕事を休んでいます。
決してパパのリフレッシュ旅行のために使われて良い休みではありません。
むしろ、毎日家事と育児をやってくれているママにこそ、1人でお出かけしリフレッシュする時間をとってもらうくらいやるべきです。
学生以来の長期休みで浮かれてしまう気持ちも非常に分かりますが、育休の目的を忘れないようにしましょう。
2.分担と効率化
パパの意識が変わるだけで「取るだけ育休」はほとんど無くなっているはずですが、育休後のことも視野に入れつつ、夫婦で協力して家事ができる体制を整えていきましょう。
見える化
これまで家事をやって来なかったパパにありがちなのが「家事なんて掃除・洗濯・料理くらいでしょ」と甘く見ていることです。
そんなパパたちに見ていただきたいのが、朝日新聞出版のAERAから出ている「家事育児100タスク表」という家事と育児の一覧表です。
以前、テレビ番組で放送作家の野々村由紀子さんは、「家事リスト162項目」というものを紹介していました。
改めて家事育児を書き出してみるとものすごい数があります。
世の中のママたちは、ほとんど1人でそれらの家事育児をこなしているのです。
我が家では第一子の育休でしたので、保育園関係や習い事など、まだ必要のないものも1/3ほどありましたが、それでも赤ちゃんの面倒を見ながら1人でやるには途方もない量であることに変わりありません。
また我が家にはロボット掃除機や食器洗い機があり、それらの定期的なメンテナンスは追加しました。
分担
1日の家事と育児の量が把握できたので、早速それらを分担していきましょう。
これまで家事をやって来なかったパパからは「できない」「どうやれば良いの?」「慣れているママがやった方が効率が良い」なんて声が上がってくるかもしれません。
そんなこと言わず、育休でたっぷりと時間があるのですから育休中にいくらでも慣れていけば良いのです。
そして育児も、授乳以外のことは全てパパでもやることができます。
なんなら授乳以外は全てパパがやるくらいの気持ちで臨みたいところ。
家事育児100タスク表を色分けするなどして、パパとママの分担を決めてしまいましょう。
育休前と同じ内容では意味がありませんので、パパができることはパパに割り振り、家事育児のスキルアップを目指しましょう。
効率化
いくら夫婦2人で家事と育児を完璧にこなそうとしても、時間も体力も限界があります。
そのため減らせる家事は可能な限り減らしてしまいましょう。
ここで登場するのが時短家電です。
我が家ではロボット掃除機と食器洗い機、電気圧力鍋、低温調理器が日々の家事を担ってくれています。
床掃除や食器洗いは全て家電に任せて、私たちが寝ている間に済ませてもらいます。
毎日の献立も電気圧力鍋や低温調理器があれば、悩むことがなくなる上に、料理ができないパパでも簡単に絶品料理ができてしまいます。
我が家ではまだ導入できていませんが、ドラム式洗濯乾燥機も時短家電の王道です。
掃除・洗濯・料理の時間を減らして、より赤ちゃんのため、夫婦のために時間とリソースを使っていきましょう。
3.コミュニケーションを取る
家事と育児の分担と効率化ができたら、あとは実践していくだけ。
その中で一番大切なのがコミュニケーションです。
仕事でもスポーツでも、同じチーム内で意思疎通して連携した方が何倍も成果が出ます。
同じ家に住む夫婦でもそれば同じです。
自分がどんなことをするのか、相手にどうして欲しいのかお互いに伝え合うことができていれば、育休中の家事育児の効率は格段に上がるでしょう。
具体的にやっておくべきことを3つお話ししていきます。
スケジュールの共有
1つ目はお互いの日頃の予定を共有しておくことです。
我が家ではTime Treeという無料のカレンダーアプリでスケジュールを共有しています。
アプリはGoogleカレンダーでも何でも良いです。
夫婦それぞれの予定や子どもの病院、親が遊びに来る、誕生日やクリスマスとあらゆる予定を共有カレンダーに書き込んでおきます。
もちろん事前に口頭で伝えておいても構いませんが、人間ですから言われていても忘れてしまうこともあります。
お互いのスケジュールを把握できていれば、「相手がいる間にこの家事を終わらせしておこう」「もうすぐ出かけるから今のうちに赤ちゃんのことを自分が見て、相手にはゆっくりしておいてもらおう」といった気遣いもできるようになります。
パパが急に遊びにいくなんて暴挙にも出なくなることも期待できます。
Time Treeでしたら目的別にカレンダーを分けることもできますので、家族・仕事それぞれ別で管理できるのでおすすめです。
育児記録
次に育児の記録をつけることです。
記録することは授乳またはミルクをあげた時間と量、おむつを替えた時間、お昼寝をしていた時間です。
おむつはおしっこかうんちかまでは分かるようにしておきましょう。
毎日記録していくことで、授乳やミルクのタイミング、おしっこやうんちの頻度を把握することができます。
こちらもスケジュールと同様に夫婦で共有できるアプリがあります。
我が家では妻が里帰り中に両親とも情報共有をするために、産院でもらったノートに手書きで記録していました。
自宅に帰ってきてから引き続き手書きノートに記録しています。
子どもを交互に見ていても、ノートを見れば「そろそろミルクの時間かな」「ぐずっているのは眠いからだな」「今日はおしっこ少ないな」と子どもの状況を把握することができます。
たまに数ヶ月前の記録を振り返ると、ミルクの量が全然違ったり、夜中に2回も起きてたりと思い出話にも花が咲きます。
家族会議
最後にやるべきは家族会議です。
日頃から夫婦でコミュニケーションを取っているから、かしこまった会議なんて必要ないと思うかもしれませんが、定期的にかしこまることも必要です。
家事育児100タスク表を見直すだけでも構いませんが、できればもっと先のことも見据えた話し合いもしておきたいです。
内閣府の男女共同参画局というところが夫婦が本音で話せる魔法のシート 「○○家作戦会議」というものを公開してくれています。
家事・育児のことはもちろん、仕事を含めて今後自分はどんなことがしたいのか、より深掘りすることができます。
我が家の場合、妻は「育休が終わったら仕事に復帰がしたい」。
私は「今の仕事はしっかり続けながら、このブログを運営していきたい」。
お互いに子どものことが最優先ですが、その次にやりたいことを具体的に話し合うことができました。
そして、家事・育児を疎かにせず、どちらの希望も尊重して叶えられるような体制も整ってきたと思っています。
ぜひ定期的に話し合う時間を作ってみてください。
最後に
取るだけ育休にしない、させないための対策をお話ししてきました。
1.パパの意識改革
①退院したからママは全快している → 出産は全治2,3ヶ月のダメージ
②育児と家事を軽視 → ワンオペは不可能、それをやってのける世の中のママたちは超人
③育休を取ってあげている → パパが育休を取って育児と家事をするのは当たり前
④育児をやったことないから上手くできない → じゃあ実践して慣れましょう
⑤長期休暇 → 育児をするための休暇、パパが1人で遊びにいくなら上司に報告しちゃおう
2.家事と育児の分担と効率化
家事育児100タスク表でやることを見える化、分担しつつ、時短家電などで効率化
3.コミュニケーション
夫婦であると同時にチーム。スケジュールや育児記録を共有し、定期的にお互いのこと、未来のことを話し合おう
私自身、偉そうなことを言っておきながら妻からは怒られてばかりでした。
自分ではやっているつもりでいても、今振り返るとどこか内心で「やってあげている」という傲慢な気持ちがありました。
仕事の疲れやストレスで家に帰ると何もやりたくない、スマホを弄ってだらだらしたいと思う日もあるでしょう。
これまで仕事を頑張ってきたのだから、育休中に少しくらい自分を甘やかしても良いじゃないかという気持ちも十分理解できます。
しかし、それとこれとは話は別です。
育児をするために仕事を休んでいることを決して忘れること無く、家事も育児もパパが全てこなしてしまうくらいの気持ちで育休を過ごしてください。
少しでも取るだけ育休のパパが減ってくれれば嬉しいです。
家事育児の合間に私自身、やっておけば良かったなと思うことも書いていますので、興味があれば見てみてください。