日本の育休が世界1位? 海外の育児と比較

育休
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2022年に法改正があり、世の中でも育休を推進する流れが徐々に大きくなっています。

そんな日本の育休制度が、実は世界1位であることをあなたはご存知でしょうか?(私は育休が終わってから知りました)

今回は世界1位に輝いた日本の育休制度とまだまだ低いと言われている取得率を海外と比較しながらお話ししたいと思います。

育休制度について説明している記事もありますので、合わせてご覧ください。

活用しないと損な日本の育休制度の凄さを認識してもらい、男性の育休取得率が少しでも上がれば嬉しいです。

日本の育休制度は世界1位

日本の育休制度が世界1位だと聞いて、あなたはどう思いますか?(私は全然信じられませんでした。)

男性の育休取得率が少なくて国を上げて推進しようとしている状況で世界1位???と思いますよね。

実は、本当らしいです。

ユニセフ(国連児童基金)が2021年6月に出した報告書によりますと、先進国の保育・育児休業制度を評価し、いくつかの項目でランキングした中で、育児制度において日本は1位となっていました。

その理由としてユニセフは

父親に認められている育児休業の期間が最も長いこと、取得率は低いものの改善に向けた取り組みが進められていること

子育て支援策 新報告書 日本の結果についてのコメント

とコメントしています。また、育児休業給付金が支給される期間も額も高い水準にあるそうです。

育休期間に加えて給付金も世界でトップクラスというのは驚きですね。

しかし、世界1位となった日本の育休制度ですが、ご存知の通り男性の取得率は世界と比べてもかなり低い上に、育休以外の育児に関するものはまだまだ改善の余地があります。

日本の育児の問題点

育休制度は優秀な日本ですが、それ以外の育児についてはどうでしょうか。

厚生労働省のイクメンプロジェクトというサイトに興味深いデータがいくつも公開されていました。

6歳未満の子供を持つ妻・夫の1日の家事・育児時間

1つ目が1日の育児・家事をしている時間です。専業主婦の家庭だとどうしても差は開いてしまいますが、共働き夫婦も一定数いると思います。

さて、その差は?

ママはパパの4倍も家事・育児をしている!

イクメンライブラリー 各種データ

2016年が「妻:454分 夫:83分」、2021年が「妻:448分 夫:114分」でその差は4倍です。

圧倒的すぎる差ですね。もちろん、家族のために夜遅くまで働いて稼いでくれているパパのことを責めるつもりはありません。私もその一人です。

しかしこのデータを見てしまうと、平日に数十分でも、土日に数時間でも何かやらないといけない気になりますよね。

一緒に頑張りましょう!

男女別育児休業の取得率

次に男女別の育児休業の取得率と取得期間のデータです。

子育てが大変な時期に、パパが子供のそばにいる時間はママよりもずっと少ない。

イクメンライブラリー 各種データ

胸にグサッときたパパは少なくないでしょう。

育休取得率は「女性:81.6% 男性:12.65%」

さらに取得日数は「女性:69.7%が10ヶ月以上 男性:28.33%が5日未満」だったそうです。

家事・育児の時間よりも果てしない差があります。

その一方で、

3歳未満の子どもを持つ男性社員のうち 29.9%が育児休業を希望しながら取れていない。

イクメンライブラリー 各種データ

というデータも。日本社会に男性育休がまだまだ浸透していないことが現れています。

3割のパパが育休を取りたくても取れていないように、子どもとの時間がどうしても作れないパパが大多数いると思います。

そもそも日本人の認識を根本から変えていく必要があります。

2022年の法改正によってどれだけ風向きが変わったのかまだ示せるデータは少ないですが、これからもっとママとパパの差が埋まっていけばいいなと思います。

海外との比較

さて、日本の育休制度が世界1位となりましたが、パパの取得率は以前と低いことは分かったと思います。ここからは海外と育休取得状況や家事・育児の取り組み方について比較していきます。

世界の男性育休取得率と家事・育児時間

日本を含めた各国の男性育休の取得率と夫婦の家事・育児時間を下の表にまとめました。

日本フランスイギリスドイツアメリカスウェーデン
男性育休
取得率
16.4%
(2019年)
100%
義務化
55%
(2009年)
35.8%
(2019年)
育休制度が
ほとんど無い
88.5%
(2012年)
家事・育児
妻:夫(分)
448:114349:150369:166371:180348:187329:201
JILPT:諸外国における育児休業制度等、仕事と育児の両立支援にかかる諸政策
イクメンライブラリー 各種データ

予想はしていましたが、取得率も家事育児時間も日本の男性が圧倒的に少ないです。アメリカに関しては公的な育休制度がほとんど無いにも関わらず、家事・育児時間は日本の1.5倍以上です。

スウェーデンは早くから出産・育児に関わる制度の整備や女性の活躍を推進してきており、その効果が遺憾なく発揮されています。

子育てに関しては日本男児の大敗となってしまいました。

日本はここから!

日本と世界を比較して悲観的になる必要はありません。

日本の育休は1992年に育児休業法が施行されたのが始まりですが、スウェーデンは1930年代から給付金制度など育休の土台ができ、1995年からは男性育休を本格的に推進し始めました。

日本では2022年に法改正があり、やっと男性育休を推進する方向へ舵を切り始めました。

日本はすでに世界1位の育休制度を整えていますので、あとは社会の認識を「男性でも育休を取るのが当たり前」に変えていくだけです。

スウェーデンでも20年以上かけてやっと男性育休が9割近くまで上がりました。私の子どもが親になる頃には、日本でも男性育休が当たり前の世の中になっていればいいなと願っています。

最後に

今回は日本の育休制度が世界1位だよってことから、男女の家事・育児の差や世界の育休取得率との比較を見ていきました。

・ユニセフが2021年に出した報告書によると、日本の育休制度は世界1位

・日本の男性が取得できる育休期間が世界で最も長い

・しかし、日本人男性の育休取得率は12.65%

・日本のママはパパの4倍の時間、家事と育児をしている

・先進国の男性育休取得率は日本と比較すると2〜5倍以上の差がある

現在の日本は、育休制度は世界で最も良いものが整っているのに、活用している人は非常に少ないというチグハグな状況です。

まだまだ日本人の中で男性育休に対する理解や、会社や個々人の法律以外の部分での環境が追いついてきていないのでしょう。

どんなものでも、最初は抵抗感があり理解されないものです。あなたの一歩がその後ろを歩く人たちを引っ張り、いつか大きな歩みにつながっていきます。

一人でも多くのパパに「世界1位の育休なら取らなきゃ損じゃ無いか!」と思ってもらえたら嬉しいです。

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