子育て資金、どのように準備していますか?
赤ちゃんが産まれて幸せいっぱいなところに水を差すようで気が引けますが、子育て資金は早めに向き合っておかなければ、家計はあっという間に火の車となってしまいます。
将来、子どもが不自由することなく好きなことを学んでいけるように、今のうちから計画的に資金を貯めておくことが重要です。
我が家で実践していることも含めて、子育て資金を準備するための戦略を紹介していきます。
結論
必要な子育て資金と、それを貯めるための戦略は以下の通りです。
子どもが大学を卒業するまでに必要な学費と生活費:約3,000〜4,500万円
最優先で取り組むべき家計の見直し戦略
- 家計簿
- 光熱費
- 通信費、サブスク費
- 保険
子育て資金の貯蓄戦略
- 定期預金:始めるのは簡単・元本保証だが、利率は低い
- 財形貯蓄:税制優遇・利率は低い・会社によって制度の有無がある
- NISAの積立投資信託:高い利率を期待できる・投資のリスクあり・始めるまでが面倒
- 学資保険:定期預金よりは増える・途中解約で大幅に減額される
大学を卒業する22歳まで、単純計算で年間150〜220万円かかります。
途方もない金額ですが、コツコツと正しい戦略で迎え撃てば、何も問題はありません。
まず第一に家計の見直しを行い、子育て資金に回すためのお金を生み出しましょう。
そしてそのお金は正しい方法で貯めて増やして行きましょう。
いくつか貯蓄戦略をご紹介していますが、私の個人的なお勧めは、「NISAの積立投資信託」です。
詳しくは以下でお話していきます。
各家庭に合った方法で子育て資金を貯めていきましょう。
必要な子育て資金はいくら?
教育費、食費、衣服代、医療費など、子供の成長に伴って必要な費用はどんどん増えていきます。
日本政策金融公庫で紹介されていた教育費を以下にまとめました。(単位は万円です。)
幼稚園から大学まで、全て公立または私立に通った場合では、教育費は2倍以上の差があります。
全て私立に通うパターンはかなり少ないと思いますので、もう少し別のパターンを見てみましょう。
高校だけ私立:983.8万円
大学だけ私立:1,043.4万円
高校から私立:1,204.7万円
高校だけ私立ならギリギリ1,000万円未満でしたが、大学で私立に行くと総額1,000万円を超えていきます。
恐ろしいことにこれらはあくまでも教育費のみです。
教育以外にかかる食費、衣服費、医療費、レジャー費等の生活費については、銀行や保険会社等がいろいろ算出しています。(ベネッセ、三井住友カード、アコム)
どのサイトも大学卒業の22歳までにかかる生活費は、およそ2,000〜2,500万円くらいとしています。
すると、教育費と生活費の合計が以下となります。
全て公立 約3,000万円
高校から私立 約3,500万円
全て私立 約4,500万円
改めて計算していて、私自身も恐ろしくなってきました・・・。
これら子育て費用を賄うための戦略を次からお話していきます。
必ずやるべき戦略
子育て資金を準備する上で、必ずやっておかなければならないこと、それが家計の見直しです。
両親が私たちを育ててくれていた時代と比較すると、物価の上昇、スマホの普及、ネットサービスの充実とお金がかかることが圧倒的に増えています。
家計を見直すことは、他のどの戦略よりも効果は大きいですので最優先で取り組んでください。
家計の収支を全く把握できていない家庭では、収入のいくらを子育て費用に回せるのか分かりません。
そもそも、支出が多すぎて子育て費用を捻出することが困難な可能性もあります。
子育て費用を考える上で、まずは家計を見直すことが最優先事項です。
家計を見直して、無駄を減らせば減らすほど子育て資金が産まれてきます。
しかもその効果は一瞬で現れ、ずっと続いていきます。
いくつかご紹介していますので、やれるところから取り組んでみてください。
1. 家計簿をつける
毎月、何にどれだけお金を使っているのか把握できていますか?
何をするにもまずは家計を把握するところから始めてみましょう。
私が実際に活用しているのが、「マネーフォワード」という家計簿アプリです。
家計簿アプリでは1,2を争うほど定番だと思います。
アプリに銀行口座やクレジットカードを紐づけるだけで、全ての収支を読み取ってくれます。
無料プランだと5つまでしか連携できませんが、有料プランにすると無制限で連携できます。
私は有料プランにして利用しています。
連携してみたら、毎月気づかず支払いを続けていた不要なサービスや、残高が無いと思っていた銀行口座の埋蔵金が見つかるかもしれません。
マネーフォワードを使って月々の生活費を把握したら、どんどん無駄なものを省いていきましょう。
2. 光熱費の削減
生きていく上で必ず発生する費用が食費と光熱費です。
食費は「外食を控えましょう」というくらいしかないのですが、赤ちゃんがいる家庭ならそもそも外食に出る機会も少ないと思いますので今回は触れません。
赤ちゃんがいる家庭でも簡単で効果的なのが、電気会社・ガス会社の乗り換えです。
我が家ではエネチェンジ という比較サイトから、月々の電気使用量に合った電気会社へ乗り換えたことで、1割ほど電気代が下がりました。ガス会社は残念なことにマンションで指定されているので乗り換えられませんでしたが、可能な人はガス会社も併せて乗り換えましょう。
エネチェンジ から住んでいる地域とこれまでの電気使用量を入力すれば、それらに合った会社とプランを提示してくれます。ネットからそのまま乗り換え手続きもできますので、とても手軽に月々の電気代を削減できます。
3. 通信サブスク費の削減
次に見直すべきは通信費とサブスク費です。
今や1人1台スマホを持つのは当たり前になっていますが、そのスマホは月々いくらで使っていますか?
使いもしないのに大量のギガや様々なオプションを盛り盛りにしていませんか?
もし月々の支払いが1万円前後の人は払いすぎです。
最近は格安SIMや大手キャリアの格安プラン等で月々2,000〜3,000円でスマホを使える時代です。
格安SIM界大手の【楽天モバイル】 では、約3,000円でデータ使い放題です。月々のスマホ代が少し高い人は今すぐにでも乗り換えましょう。
また、このタイミングでAmazonプライムやNetflixといったサブスクリプションも見直してみてください。
トレーニングジムの月額会員もある意味サブスクリプションと言えます。
月々500円でも年間で6,000円になります。
月々5,000円なら年間で60,000円です。
もし使っていないサービスや契約があるなら、今すぐ解約して子育て費用に当てましょう。
4. 保険の見直し
最後に見直すべきは保険です。
医療保険、生命保険、自動車保険、火災保険と様々な保険がありますが、入りすぎてはいませんか?保証をつけすぎてはいませんか?
高額医療費制度を利用すれば、医療保険は貯蓄で十分補填できます。
子どもがいて家計を支えている夫婦のどちらかが亡くなった場合に、家計が傾いてしまうのであれば最低限の生命保険は必要です。
自動車保険は対人対物保証があれば、その他の車両保険や搭乗者保険は不要です。
自動車保険は使えば使うほど等級も下がってしまいますので、車両保険や搭乗者保険はそもそも事故が起きても利用する頻度はかなり低いものになります。
火災保険は必ず入っておかなければいけませんが、オプションを付けすぎていないかは要チェックです。
自動車保険や火災保険はいくつかの会社で同じ条件で相見積りを取って、価格を比較するのが得策です。
以下のサイトは銀行や証券でおなじみのSBIホールディングスの無料見積りサービスです。
見積りは無料ですので、今の保険が適正価格なのか確認してみるのも良いかもしれません。
– 自動車保険の比較:無料の自動車保険一括見積もりサービス – 火災保険の比較:火災保険の一括見積もりサービス自動車保険は毎年保険料も変わりますので、更新のたびに価格比較しておくことをお勧めします。
月数千円、年間数万円は違ってきますので、やらない他ありません。
子育て資金戦略
家計を見直したことで産まれた資金を外食や旅行に使ってしまっては意味がありません。
ここからは子育て資金を貯めるための戦略をご紹介していきます。
どれか1つで良いので、自分たちに合った方法を見つけてみてください。
5. 定期預金
将来のためにお金を貯める方法としては定番中の定番でしょう。
毎月一定額を専用口座へ貯金していき、一定期間後に受け取ることができます。
給与口座などから強制的に貯蓄を行う仕組みなので、計画的な資金形成に役立ちます。
メリット
- 元本保証:定期預金は投資や保険と違って、預けた金額から減ることはありません。
- 自動的に貯まる:預金口座から定期口座へ自動的に貯めていくので、自分で操作は必要ありません。
- 手続きが簡単:自分が持っている銀行で定期預金口座を簡単に作ることができます。
- 利息がちょっとだけ多い:普通預金よりもほんの少しだけ高い利息が期待できます。
- 柔軟な期間設定:預入期間を数ヶ月から数年単位で設定できるので、目的の金額に合わせて計画しやすいです。
注意点
- インフレリスク:インフレで物価が上がっても定期預金は少ない利息しかつかないので、十数年後の資金としては足りないかもしれません。
- 中途解約:途中で解約すると、せっかく増えた利息が少なくなる場合があります。
- 利率の変動:固定金利と変動金利があるので、契約時に確認が必要です。
- 利息への課税:せっかく利息でほんの少し増えた分にも税金がかかってしまうので、利息ではほとんど増えないと思っておきましょう。
6. 財形貯蓄
多くの企業では給与天引きで自動的に貯蓄ができる財形貯蓄制度を提供しています。
一般や住宅など種類はありますが、ここでは細かいところまで突っ込みません。
会社へ申請して作らないといけないので、定期預金よりも手続きは少し面倒かもしれませんが、税制面で有利となります。
詳細が知りたい人は、会社や労働組合に確認してみてください。
メリット
- 元本保証:定期預金と同じく、預けた金額から減ることはありません。
- 自動的な貯蓄:定期預金と同じく自動で貯まっていきますが、給与天引きですので強制力が更に強いです。
- 利息がちょっとだけ多い:定期預金と同じく、普通預金よりもほんの少し多く利息がつきます。
- 税制優遇:元本550万円までなら利息にかかる20%の税金が非課税となります。
- 貸付制度:財形貯蓄額の10倍まで、低金利で融資を受けることができる財形貸付制度というものを利用できます。
注意点
- インフレリスク:定期預金と同じく、インフレで物価が上がってしまうと将来的には金額が足りなくなっているかもしれません。
- 中途解約:住宅等の財形貯蓄の種類によっては、早期解約したことで免除されていた税金が課される可能性があります。
- 利率の変動:利率が変動してしまうと、計画していたよりも利息が少なくなるかもしれません。
- 転職時:財形貯蓄制度をやっていない企業もあるので、転職する場合には確認が必要です。
7. NISAでの積立投資信託
2024年から新NISAがスタートして、どんなものかご存じの方も多いと思います。
ここで挙げているのは、NISA制度を活用して投資信託を毎月積み立てていく方法です。
個別の株や手数料の高いものを短期的に売買するようなリスクの高いものではありませんのでご注意ください。
NISAを活用した積立投資は投資初心者こそ始めるべきものですし、実際私自身も社会人1年目からスタートしています。
貯蓄戦略の中では最もお勧めできる戦略ですので、ぜひ前向きにご検討ください。
メリット
- 税制優遇:NISAでは、本来投資による運用益にかかる20%の税金が非課税となります。
- 少額から始められる:毎月の積立金額は100円から設定できるため、無理なく始めることができます。
- 国公認の投資商品:NISAで扱える投資商品は国が認めたものしかありませんので、安心して選ぶことができます。
- 自動積立:NISAで積立設定を行うと、毎月決まった日に自動で積み立ててくれますので、リスクを分散しながら確実に続けることができます。
- 自由に売買可能:定期預金等と違って、急にお金が必要になった場合に、途中で売って現金に変えてもリスクはありません。
- 長期的な資産形成:時間をかけて運用することで、リスクを分散し、資産が増える可能性を高めることができます。
注意点
- 投資リスク:市場の変動によっては売却時に元本割れのリスクがある。
- 運用手数料:投資信託には運用手数料が発生する。手数料の高い商品を選んでしまうと運用益が減ってしまう可能性がある。
- 投資知識:投資商品の選定や運用方法等、最低限の投資の知識が必要。
- 証券口座開設:証券口座の開設やNISA口座の開設等、始めるのに手間がかかる。
- 非課税枠:新NISAでは非課税枠の上限が1800万円までとなっている。
お勧め理由
投資と聞くと、パソコンの前に張り付いてリアルタイムで株の売買を行って、数十万・数百万単位で損益が出るリスクが大きいものというイメージを持つ人がいます。
しかしそれはデイトレーダーやFXといった、投資の中でも極端にリスクの大きい種類のものです。
私がお勧めしている「投資信託」は商品によって異なりますが、世界中の株を少しずつ詰め合わせた株セットで、リスクは広く分散されています。
その投資信託を毎月一定額積立ていくのが、積立投資信託となります。
毎月積立ていくことは「ドル・コスト平均法」と呼ばれる手法で、投資界隈ではリスクを抑えて、手堅く利益を得るために有名な手法です。
さらに積み立てていく期間が15年、20年と長期間になればなるほど更にリスクも下がりますし、これまでの歴史で見るとほぼ確実にプラスになっています。
また、NISAは国が作った一定額までの投資利益に対して税金を免除してくれる制度です。
2024年から新NISAとなり、投資可能枠が大幅に増加し、期間は無期限となりました。(旧NISAは20年)
国が投資を後押ししてくれているのが分かります。
子育て資金だけでなく、老後資金作りにもNISAは有効ですので、今すぐ始めてコツコツと積み立てていきましょう。
8.学資保険の加入
最後にご紹介するのが、親世代から圧倒的な支持を受ける学資保険です。
子供の教育資金を目的とした保険で、保険期間中に親に万が一のことがあった場合でも、生命保険同様に保険金が支払われます。
メリット
- 確実な資金確保:ほとんどの場合、子どもが大学入学前後を満期に設定するため、必要な時期に確実に教育資金を確保できます。
- 定期的な支払い:年払いや月払いで、クレジットや口座から自動で支払われるため、半強制的に貯めることができます。
- 保健機能:親に万が一のことがあったら生命保険が降りるため、保険を継続できなくても資金を確保できます。
- 税制優遇:生命保険料控除の対象となるので、年末調整等で社会保険料の控除を受けることができます。
- 程々の利率:定期預金や財形貯蓄よりは利率が良く、少しだけ増やすことができます。
注意点
- 保険料の負担:途中で支払額を変更することができないため、家計の負担となる可能性があります。
- 中途半端な利回り:定期預金よりは多いですが、投資信託等の金融商品と比較するとリターンは少ないです。
- 途中解約リスク:満期の前に途中解約してしまうと、支払った保険料よりもかなり減額された解約返戻金しか受け取れません。
最後に
子どもが大学を卒業するまでに必要な費用と、子育て資金を貯めるための戦略をお話ししました。
子どもが大学を卒業するまでに必要な学費と生活費:約3,000〜4,500万円
最優先で取り組むべき戦略
- 家計簿
- 光熱費
- 通信費、サブスク費
- 保険
子育て資金の貯蓄戦略
- 定期預金:始めるのは簡単・元本保証だが、利率は低い
- 財形貯蓄:税制優遇・利率は低い・会社によって制度の有無がある
- NISAで積立投資信託:高い利率を期待できる・投資のリスクあり・始めるまでが面倒
- 学資保険:定期預金よりは増える・途中解約で大幅に減額される
まずは家計を見直して、夫婦2人暮らしのときのまま続けている贅沢や、だらだら払っている無駄な固定費はきっぱりと辞めましょう。
そして生まれた余剰資金を貯蓄戦略で子どもの将来のために貯めていきます。
私個人としては、まだ子どもが小さくて大学入学までに15年以上あるのであれば、NISAを強く推します。
投資期間が長ければ長いほど、プラスになる確率が高まるためです。
家計の見直しもNISAも始めるのが早ければ早いほど、効果は大きくなります。
悩んでいる時間ももったいないので、今すぐ始めましょう。
子育て資金の作り方の参考になれば嬉しいです。