低温調理という調理方法が有ることをご存知でしょうか。
50〜60℃という料理では低温でお肉等を加熱調理する方法です。
加熱時間は5〜10時間と長いですが、ジップロックに調味料とお肉を入れて、後は湯煎するだけの超お手軽な調理です。
しかも低温調理にはお手軽さ以外にも健康に良いというメリットがあります。
育児で忙しい今こそ、低温調理でお手軽に健康的な食事をしてもらえたらなと思います。
低温調理に興味を持っていただけたら嬉しいです。
焼きすぎは老化の原因
焦げたものは体に悪いというのは昔から聞いたことあると思います。
焼き肉をしていてちょっと目を離した隙にお肉が真っ黒になった経験は誰しもあるでしょう。
理科の授業を思い出していただくと、真っ黒に焦げたものは酸化してしまったもの(厳密には炭化ですが)とも考えられます。
次に話が変わりますが、老化対策として抗酸化作用のあるものを摂りましょうと言われます。
体の中で老化の原因物質である活性酸素を抑える働きを抗酸化作用と言って、エイジングケア・スキンケアで度々注目されています。
話を戻して、焦げたものが体に悪い理由というのが、この活性酸素にあります。
焼きすぎて酸化してしまった食材の中には活性酸素やその原因物質が大量に発生してしまい、それを食べることで知らず知らずのうちに体は老化へまっしぐらなんてことになります。
そのため、高温で加熱しすぎた料理は健康にマイナスな面があります。
お肉も硬くなる
加熱しすぎるのはお肉の柔らかさにも大きな影響があります。
火を通していない生のお肉は当たり前ですがとても柔らかいです。
馬刺しを食べたときや料理で生肉を扱うと分かりやすいと思います。
しかし、炒める等の加熱調理をした後のお肉は生のときの柔らかさは消え、硬くなってしまいます。
その原因が、タンパク質の変質です。
50℃以上の温度でタンパク質が変質し始めます。
コンロなどでさらに高温で加熱するとタンパク質の変質は急激に進み、肉汁とともに水分も逃げてしまい、硬いお肉が出来上がります。
低温調理はタンパク質の変質を最小限に抑えつつ、旨味成分をギュッと閉じ込めることのできる画期的な調理方法です。
加熱は殺菌できればOK
低温調理のメリットはここまでお話したとおりですが、心配なのが食中毒。
生でお肉を食べるとお腹を壊してしまいますが、その原因となるのが菌です。
O-157やカンピロバクター等、たまにニュースで集団食中毒になっているあれです。
これらの菌の対策は加熱すること。
75℃以上で1分以上加熱しましょうと良く言われます。
「50〜60℃の低温調理ではダメじゃないか!」と思った方、心配はいりません。
75℃まで温度を上げなくても時間をかければ菌は死滅してくれます。
目安となるのがBONIQという低温調理器メーカーの資料です。
お肉の種類によって、「この温度設定ではこれだけの時間低温調理してくださいね」とまとめてくれています。
お肉の中心にまで熱を通す事を考えて、お肉の厚さによって時間が変わっています。
その温度と時間さえ守っていれば食中毒の原因となる菌はいなくなります。
時間をオーバーしても特に悪影響はありませんので、それでも心配な人は表示時間よりも長めに低温調理器の中に入れていてもいいと思います。
温度と時間さえ正しく守れれば、お腹を壊すこと無くタンパク質の変質を最小限に抑えた柔らかくて美味しいお肉を食べることができます。
低温調理器
冒頭でも少しお話しましたが、低温調理とはジップロック等にお肉と調味料を入れて長時間湯煎しておくものです。
湯煎するための50〜60℃のお湯を10時間近く鍋とコンロで維持するのは不可能です。
そこで登場するのが「低温調理器」と呼ばれる家電です。
色々なメーカーが販売していますが、日本で有名なものはBONIQではないでしょうか。
日本の会社で、クラウドファンディングから始まり、今はAmazon等でも販売されています。
ちなみに私はメンタリストDaiGoさん一押しのANOVAという海外製の低温調理器を使っています。
アイリスオーヤマ等でも十分使えるものが出ていますので価格を見ながら選んでみてください。
お湯を溜めるのは大きな鍋でもいいですが、低温調理専用のボックスやフードコンテナ等で代用した方が良いと思います。
時短効果も◎
低温調理の湯煎時間は何時間もかかりますが、準備はジップロックにお肉と調味料を入れるだけ。
時間がきたら、お肉を取り出して切って盛り付けて完成。
実際に手を動かす時間はかなり短いです。
ジップロックに入れたまま冷蔵保存もできるので、作り置きにもなります。
時短家電と言っても過言ではないでしょう。
我が家の定番レシピ
我が家で良く作っている低温調理レシピをご紹介します。
- 鶏むね肉:57℃/6時間 オリーブオイルと塩のみ
- ローストビーフ:56℃/8時間 焼肉のタレorステーキソース
- ヨーグルト:43℃/11時間 牛乳にドリンクタイプのR1ヨーグルト
湯煎時間はBONIQの表よりもだいぶ余裕を見ています。
これまで5年ほど使い続けていますが、お腹を壊したことは1度もありません。
独身寮や実家でも振る舞ったことがありますが、みんなの反応はバッチリです。
鶏むね肉
ジップロックの中に鶏むね肉、オリーブオイルと塩を少々入れて「57℃で6時間」低温調理します。
皮付きか無しかはお好みでどうぞ。(私はブニブニの皮が苦手なので捨てています)
コンビニのサラダチキンよりも柔らかくてしっとりした食感です。
味付けはシンプルな塩をご紹介していますが、あっさりとしたポン酢やスタミナ盛り盛りの焼肉のたれ+にんにくもありです。
体に良くてアレンジも豊富な上にヘルシー。
初めての低温調理にうってつけのメニューです。
ローストビーフ
自分たちではなかなか牛ブロック肉は買わないので、実家に低温調理器を持って帰ったときに作っています。(お肉はもちろん親から提供してもらいます!)
低温調理の定番といえばローストビーフでしょう。
こちらもジップロックの中に牛ブロック肉を入れ、焼肉のたれやステーキソースで味付けをして「56℃で8時間」低温調理します。
写真はアプリのせいで赤みが強いですが、中まで熱はしっかり通っています。
市販のローストビーフに負けず劣らずの柔らかさ。
お肉はスーパーのブロック肉ですが、絶品です。
親戚で集まったときに出したら一瞬で無くなります。
クリスマスやお正月などのイベント時にはぜひ作ってみてください。
ヨーグルト
ヨーグルトメーカーのような使い方もできてしまいます。
我が家では牛乳にドリンクタイプのR1ヨーグルトを入れて、「43℃で11時間」低温調理器に入れています。
R1ヨーグルトの乳酸菌がどれだけいるのか、免疫力がどれだけ上がっているのか分かりませんが、ちゃんとドロドロのヨーグルトが出来上がります。
そして美味しいです。
ほぼ毎日食べていますが、こちらもお腹を壊したことはありません。
ただ、手作りのヨーグルトは賞味期限がよくわからないので食べる際は自己責任でお願いします。
最後に
低温調理のメリットと我が家の定番レシピを併せてご紹介しました。
- ジップロックに材料と調味料を入れて湯煎するだけ
- 焼き過ぎによる老化物質の発生を抑える
- 温度と時間を守れば食中毒も安心
- 鶏むね肉:57℃/6時間 オリーブオイルと塩のみ
- ローストビーフ:56℃/8時間 焼肉のタレorステーキソース
- ヨーグルト:43℃/11時間 牛乳にドリンクタイプのR1ヨーグルト
あまり馴染みのない調理方法ですが、誰でも簡単に美味しい料理ができてしまいます。
湯煎時間は長いですが、準備と盛り付けは一瞬。
本体価格が少し高いのがネックですが、時短ができて体にも良いことを考えるとBONIQを買っても、十分に元が取れると思います。
少しでも興味を持った方は前向きに購入を検討してみてください。