子どもが生まれると、生活の中心は一気に「子ども」に変わります。
車についても、子どもがいない時は「好きな車種」や「走りの良さ」、「運転のしやすさ」といった自分が乗りたい車で問題ありませんが、保育園の送迎や買い物、旅行など、子どもを乗せること前提に考える必要が出てきます。
車に関する相談チャット等でよく目にするのが、「出産を機にファミリーカーに乗り換えようと考えている」という内容です。
ファミリーカーといえば、トヨタのヴォクシー、日産のセレナ、ホンダのステップワゴンなどスライドドア付きミニバンを思い浮かべる方も多いでしょう。
でも、一度立ち止まって考えてみてください。
「スライドドアって本当に必要?」
「子どもが生まれるからって、今の車を買い替えるべき?」
出産準備は意外とお金がかかります。
それに加えて車の買い替えなんてしていたら家計は火の車です。
わざわざスライドドアにしなくても、今の車で問題ないかもしれません。
この記事では、そんな悩みを持つプレパパ・プレママに向けて、スライドドアなしで2年間子育てしてきた私の体験をもとに、スライドドアのメリット・デメリット、そして「本当に必要なのか?」をリアルに解説します。
結論
結論から言うと——
すでに車を持っている家庭なら、出産だけを理由に慌ててスライドドア車へ買い替える必要はありません。
一方で、車をこれから買う家庭や、送迎・狭い駐車場の利用が多い家庭なら、スライドドアはかなり便利です。
電動の鉛筆削りとか、スチーマー付きアイロンみたいな、「あると便利だけど、なくても困らない」=「絶対に必要ではない」というのが、0歳〜2歳まで育児してきた感想です。
次からは詳細をお話ししていきます。
【体験談】子育て世代が感じたスライドドアのメリット3選

出産を機に「やっぱりスライドドアの車にした方がいいのかな」と迷うのは、実際に育児に対するメリットが多いからです。
まずは、子育て世代がスライドドアを便利だと感じる理由から見ていきます。
世の中のファミリーカーの主流がスライドドアになるのも納得のメリットばかりです。
① 隣の車にぶつける心配がない
駐車場などでドアを開けた際に、隣の車にドアをぶつけてしまうことをドアパンチと言われます。
「子どもがドアを開けてドアパンチ」というのが、ありそうなシチュエーションですね。
そんなとき、スライドドアなら車体の横をスライドしていくので、狭い駐車場でもドアパンチするリスクは限りなくゼロに近い。
子どもが乗り降りする時も安心です。
② 開け閉めがラク!雨の日でも濡れにくい
スライドドアであればスイングドアのように、ドアを開けて手前に開く必要がありません。
その上、最近は電動スライドドアが主流ですのでドア開閉が非常に楽です。
そのため荷物が多い時でも、子どもを抱っこしている時でもドアの開け閉めの負担はかなり軽減されます。
雨の日も傘をさしたまま、濡れることなく乗り降りできます。
③ 開口部が広く、チャイルドシートの乗せ降ろしが快適
一般的なスイングドアと比べて、スライドドアの開口部は非常に広いです。
赤ちゃんを抱っこしたまま車に乗り込むことも余裕でできます。
チャイルドシートの乗せ降ろしの際にも、開口部が広いおかげで楽に対応でき、腰への負担も低減されるため育児中の腰痛対策にもなります。
スライドドアあり/なし比較表
文章だけだとイメージしにくいと思うので、スライドドアあり・なしの違いを表でまとめるとこんな感じです。
スライドドアあり・なし比較表
子育て目線で「使いやすさ」と「コスト」の違いを、ひと目で分かるように整理しました。
| 比較項目 | スライドドアあり | スライドドアなし |
|---|---|---|
| 乗せ降ろし | あり かなりラク 子どもを抱っこしたままでも開閉しやすく、チャイルドシートへの乗せ降ろしがスムーズです。 | なし 慣れれば使える 使えないわけではありませんが、抱っこ+荷物の場面では少し大変に感じやすいです。 |
| 狭い駐車場 | あり かなり強い 横の車にドアをぶつける心配が少なく、子どもの乗り降りでも安心感があります。 | なし 気を使いやすい ドアの開閉スペースが必要なので、駐車位置によっては不便を感じやすいです。 |
| 雨の日 | あり 乗せ降ろししやすい 動線が短く、急いでいるときも子どもや荷物を扱いやすいです。 | なし やや不利 子どもを支えながらドアを開け閉めする必要があり、バタつきやすいです。 |
| 車両価格 | あり 便利だが高め 便利さは高い反面、車両価格は上がりやすい傾向があります。 | なし 抑えやすい すでに車があるなら、買い替えずに済む点も大きなメリットです。 |
| 燃費・走り | あり 車種による 車体重量の影響で、不利になることもあります。 | なし 有利な車種が多い 走りや燃費を重視したい家庭には向いています。 |
| 故障リスク | あり 便利さの代償あり 電動機構があるぶん、構造はやや複雑です。 | なし シンプルで安心 構造がシンプルなので、長く乗る前提では安心感を持ちやすいです。 |
| 買い替え優先度 | あり これから買うなら有力 送迎や狭い駐車場の利用が多い家庭とは相性が良いです。 | なし 今の車でも十分な場合あり すでに車を持っていて不満が少ないなら、慌てて買い替えなくても大丈夫です。 |
スライドドアのデメリットと注意点【価格・燃費・故障リスク】
あれだけのメリットがあれば、ファミリーカーへの乗り換えが必須に感じるかもしれませんが、便利な中に注意点もあります。
後悔しないよう、デメリットも合わせて把握してください。
① スライドドアにはコストがかかっている
スライドドアの車は構造上、モーターやレール、センサーなどの装備が必要になるため、同クラスの普通車より価格が高い傾向があります。
ミニバンは多く市場に出回っていることから、一部の高級車(ヴェルファイア、アルファード)でもない限り、リセールバリューに期待できないことが多いようです。
余程のお金持ちでない限り、購入する際は、状態の良い中古車を探すなど、コストを抑えることを考えた方が良いかもしれません。
② 燃費や走行性能への影響
スライドドアの車は、上記と同じくドアをスライドさせるためのモーター等の他、ドア自体も重厚な構造となりますので、車体重量が重くなる傾向にあります。
それに加えて、車内空間を広げるために、車高も高くなっているため、走行中の空気抵抗も大きくなります。
車体が重く、抵抗も大きくなってしまう分、燃費も悪くなってしまいます。
最近のハイブリッド車であれば、それでもガソリン車よりは燃費が良いですが、価格が格段に高くなります。
また、加速やハンドリングといった走行性能もワンランク下がる印象があります。
ファミリーカーであれば、車内空間が一番重要ですので、燃費や走行性能は二の次に考えて良いかもしれませんが・・・。
③ 故障・修理リスクとその費用
最近のスライドドアは基本的に電動で開閉するために、これまた上記と同じく、モーターやセンサーなど電子部品がたくさん組み込まれています。
たくさんの機器があるということは、それだけ故障するリスクもあるということです。
電動スライドの修理で数万円〜10万円の費用がかかる可能性もあるそうです。
もし「子どもが大きくなるまで長く乗り続けるぞ」と考えるのであれば、修理費を貯金しておいたり、車両保険等を調べておいても良いかもしれません。
【実体験】スライドドアなしで2年間子育てして分かったこと

ここからは、第一子が産まれてから現在までの2年間、スライドドア無しで子育てをしてきた我が家の経験をお話しします。
我が家は地方暮らしで、通勤・買い物・保育園送迎といった移動は全て車です(飲み会もタクシーか代行を利用します)。
夫婦それぞれが独身時代から車を所有していて、結婚してからもそのまま2台の車を所有しています。
所有している車は、
私:MAZDA3ファストバック(スライドドア無し、車体低め)
妻:軽自動車(スライドドア無し)
チャイルドシートは親戚や職場の先輩から頂いたお下がりをそれぞれの車に取り付けています。
結論
始めの方でお話しした結論の繰り返しになりますが、2,3歳くらいの幼児期であれば、スライドドアが無くても問題なく子育てはできます。
私が所有しているMAZDA3はセカンドシートが狭い上に、車体が低いので、子育てには不向きな車種ではありますが、慣れてしまえばどうってことありません。
もちろん、雨の日に子供を抱っこして荷物を持つような場面や、狭い駐車場では「スライドドアの方がラク」だったかもしれません。
それでも、毎日のように困るわけでもなく、我が家では買い替えなければならないほどではありませんでした。
また、幼児期であれば自分で車のドアを開けられないので、ドアパンチをする心配がありません。
なんなら、6歳(140cm)ごろまではジュニアシートが必要となりますので、当分の間は最低限の注意で問題ないと思っています。
とはいえ、すべての家庭にスライドドアが不要だと断言はできません。
例えば、
・保育園送迎が毎日ある
・狭い駐車場をよく使う
・子どもが2人以上いる
・これから車を買う予定
といった家庭なら、スライドドアの便利さを強く感じやすいと思います。
逆に、すでに車を持っていて、駐車場に余裕があり、送迎頻度もそこまで高くない家庭なら、出産だけを理由に慌てて買い替えなくても十分だと思います。
車内を快適にするアイテム3選
我が家がスライドドア無しで子育てをするために、いろいろ試した中で現在も愛用しているアイテムをいくつかご紹介します。
回転式チャイルドシート(ジュニアシート)
チャイルドシートで調べると様々なメーカーから非常に多くの商品が出てくると思います。
その中で推したいのが「回転式」です。
子どもの乗り降りの際に、回転させられる機能ですが、これがあるだけで乗り降りの腰への負担が激減します。
価格が高くなってしまいますが、それだけの価値は十分あると思います。
参考までに、我が家で使っているのは「ネビオ ターンピットF-TT」というチャイルドシートです。
回転式な上に、新生児から12歳まで、長期間使えるのでおすすめです。(価格も控えめ)
エアラブ

次におすすめしたいのが、真夏のチャイルドシートの必須装備「エアラブ」です。
真夏の車内温度は軽く40度を超えてきます。
そんな熱々でクッションふわふわのチャイルドシートに子どもを乗せるなんて拷問です。
エアラブは子どもとチャイルドシートの間に敷いて、風を送り込むことで子どもの身体を冷やしてくれます。
様々な形のチャイルドシートに適合する上に、モバイルバッテリーを使えば、ベビーカーでも使用できて一石二鳥です。
チャイルドシートミラー
運転席からチャイルドシート内の子どもの様子を確認できるチャイルドシートミラー。
子どもが小さいうちは運転中に泣き出すことなんてしょっちゅうあります。
心配だからといって後ろを振り返ったりなんかしたら、非常に危険です。
そんな時に、チャイルドシートミラーをセットしておけば、バックミラーから子どもの様子を見ることができます。
デザインが可愛いものも多いので、いろいろ探してみてください。
天井収納
第2子が産まれて、車に積み込む荷物が増えてきたので買ってみました。
車の天井にハンモックのように吊って、収納を作れる優れものです。
私が購入したのは「MK&JAMT ゴリラネット Mサイズ」
ネットは二重になっていて、ファスナーで中に収納できるので、運転中にものが落下してくる心配もありません。
無駄な荷物でシートを占有することがなくなって、車内がスッキリしました。
シートカバー&キックガード
車を大切にしたい人にとっては必須アイテムです。
シートカバーをチャイルドシートの下に敷くことで、載せっぱなしでチャイルドシートの跡が残ってしまうことを防ぐことができます。
子どもが靴を履いたまま前向きに座るようになったら、キックガードもつけましょう。
前席の背中側につけておくことで、子どもがシートを蹴って汚す心配がなくなる上に、ちょっとした収納も増えて一石二鳥です。
スライドドアが向いている家庭・今の車でも困りにくい家庭
ここまでの結論を先に補足すると、スライドドアが「必要かどうか」は、車そのものよりも使い方で決まります。
「子どもがいる=絶対にスライドドアが必要」ではありませんが、家庭によってはスライドドアの恩恵がかなり大きいのも事実です。
スライドドアが向いている家庭
次のような家庭は、スライドドア車を選ぶメリットが大きいと思います。
- 保育園や幼稚園の送迎が毎日のようにある
- 狭い駐車場を使うことが多い
- 雨の日でも子どもを乗せ降ろしする機会が多い
- 子どもが2人以上いて、片手抱っこ+荷物の場面が多い
- これから車を買う予定で、ファミリー向けの使いやすさを優先したい
こうした条件に当てはまるなら、スライドドアは「あると便利」ではなく、かなり実用性の高い装備になります。
今の車でも困りにくい家庭
逆に、次のような家庭なら、出産だけを理由に慌てて買い替えなくても良いと思います。
- すでに車を持っていて、まだ十分乗れる
- 送迎頻度がそこまで高くない
- 駐車場が広めで、隣の車との距離に余裕がある
- 子どもが1人で、荷物量もそこまで多くない
- できるだけ出費を抑えたい
我が家もこちらに近いケースでした。
もちろん「スライドドアの方がラクだな」と感じる場面はありますが、だからといってすぐに買い替えが必要だと感じるほどではありませんでした。
つまり、スライドドアは便利ではあるけれど、家庭の使い方によって優先順位が変わる装備だと思っています。
まとめ

最後に、もし私が親戚や友達からスライドドア付きの車を相談された場合にどう答えるか、2つのパターンでご説明します。
車を持っていなくて、出産を機に車を買うなら「スライドドアが無難」
もし今、車を持っていない・ちょうど乗り換え時期という場合は、よほど欲しい車がなければスライドドア車を選んでおくのが無難です。
ドアを開けた際の開口部が広くて、チャイルドシートからの乗せ降ろしが楽になります。
子育て中は荷物も増えがちですので、荷物の積み込みも考えるとスライドドアが無難になると思います。
車を持っていれば、買い替えずに「今の車でOK」
すでに車を持っていてまだ乗れるのであれば、今すぐ買い替える必要はありません。
我が家では、たまに妻の軽自動車だけで実家(高速道路で2時間)に帰省することがありますが、大きく不便を感じることはありません。
子どもが小さいうちは、車でそうそう旅行に行く機会も少ないと思います。
数年使ってみて「不便だな」と感じたら、そのとき買い替えを検討しても遅くありません。
最後に:スライドドアは「便利」だけど「必須ではない」
繰り返しになりますが、2,3歳くらいの幼児期であれば、スライドドアが無くても問題なく子育てはできます。
出産費用や子育て用品など、出産時には非常に多くのお金がかかります。
そのような状況で、慌てて車を買い替えてしまうと結局自分たちが苦しい思いをすることになります。
必要に駆られてスライドドアの車を買うくらいなら、食洗機やドラム式洗濯機のような時短家電を買う方が、お金の使い道としては有意義だと思います。
子育てをするのにスライドドアが必要かどうか悩んでいるパパやママの参考になれば嬉しいです。


